負債が数兆もあるからダメ、という理屈

負債、つまり、流動負債と固定負債の合計が数兆もあるから○○社はダメだ、という理屈を耳にすることがある。

もっともそうな意見なのだが、実質的には何も語っていないことがわかる。

負債・借金の存在は、良くも悪くもない。

「良い」のは、借金なり負債を有効に使っている場合である。つまり、利子・利息といった金融費用を超える収益を経常的に上げていれば、借金なり負債は、何の問題でもない。

「悪い」のは、単に、金融費用以下かどっこいの収益しか上げられてないときである。

企業の借金については、単純に「これ」だけであり、その「額」が何億何千億何兆であろうと問題ではない。

更に言うと、金融費用と収益の割合が重要であるわけだから、要はその金融費用がどのくらいかかるかの方を気にかけるほうが、より企業の「よさ」や「ダメさ」を理解する鍵となる。

借金が5兆あっても、利率が1%ならば、金融費用は500億である。

借金が1兆でも。利息が5%ならば、金融費用は500億となる。

資産なり投下費用が5倍も変わってくるわけであり、負債の「額」は、どうしたって、収益とセットで考えないと意味のない概念であるように思われる。

同じような理屈だが、「○○社は資本が○○兆円もあるので安全だ」とか「安心だ」と言われることがあるが、これもまた、ほとんど意味がない。

資本が1兆でも、資産が10兆もあれば、負債は9兆となるから、どうしたって金融費用は高く付くだろう。

利益の多くは利払いに消えて、「うまみ」はないだろう。負債の債権者に貢いでいるような企業だからだ。

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