予想は「当たらないもの」とする

株式投資のみならず、経済やビジネスの記事・報道の定番と言えば、「予想」である。

そら、今起きていることを述べただけでは、その記事なり報道の価値はあってないようなものだから、どこぞの評論家なり学者やアナリストを呼んできて、「これからどうなるのか」を言わせる。

しかし、本当にこれらの予想は、当てにならないし、話半分以上に捉えておくべきだろう。

株価予想など、言ってしまえば気休め、情報のトランキライザーでしかない。

わたしたちは、そもそも企業が自分自身について公表する「予想利益」ですら外れることを、頭の片隅において常に見るもの読むものの視線の端っこに置いておくべきである。

というのも、市場環境なり業界の動向なり、そして、自社の最も正確な財務データが上がって、それらをベースにした予想でさえ、思いっきり外れることの方が多いからである。

最も正確な情報を持ちうる「状況にある」人でも、予想は外れるのだから、当てにしないこと、もっと言えば、読まずに置くことの方が、先入観が生まれない分だけ、ずっと有効であろう。

バフェットは、「住宅」というカテゴリが「好き」である。

家具屋からカーペット屋、住宅設備(絶縁体)メーカー、住宅そのものを売るメーカー、加えて、フレディマックといった住宅ローン会社(日本で言う住宅金融公庫)を、さかのぼれば1970年代から買ってきた。

バフェットは投資家と言われるが、ある意味、住宅について最も経験を積んだ者といっても過言でもないだろう。

しかしそんな熟達者のバフェットですら、アメリカの住宅市場の冷え込みを見通す事ができなかった。

2011年度の株主への手紙に、「I was dead wrong.」という強い表現とともに、住宅市場の回復予想が外れていることを述べている。

こういう言い方は卑怯ではあるし正確に欠けるのだが、「バフェットレベルの熟達者」でさえ、自分の馴染んだ業界の予想が外れるのだから、況やそれ以下の能力や経験の持ち主をや、と相なる。

本当に「予想」というのは難しいものだから、安易に予想など当てにしてはいけないし、当てにしそうになったら赤信号だと言い聞かせておくべきだ。

そして、自分の投資判断に、「予想」が入っていないかを、念入りに注意すべきである。

逆を言えば、株式投資とは、予想と希望を排除する作業なのかもしれない。

フォローする