売上の架空計上は、最もやりやすい粉飾

利益がある、つまり、「黒字」でないといけない企業がある。

たとえば、上場企業や銀行から金を借りている企業、公共事業を行っている企業である。

黒字だと、税金をその分だけ支払わないといけないが、当該税コストを上回るメリットがある、という寸法である。

で、利益をどうしても挙げなければならないわけであるが、そこで行われる定番の会計操作が、「売上の架空計上」である。

なぜ、売上の架空計上が粉飾の定番なのかというと、「やりやすい」からである。逆を言えば、「ばれにくい」ということだ。

しかも、会社の規模が大きくなればなるほど、売上の架空計上は「行いやすく」て「ばれにくい」ようになる。

それは、取引の数が膨大だからである。数百、数千、数万の取引を1つ1つチェックするなんてこと、監査法人を含めて、誰にもできない。

だからこそ、企業には、粉飾の余地があるわけである。

売上を捏造しようとする「手続き」は実に簡単である。

商品売買の会社なら、契約書を作成して、請求書を作成して、発送伝票を作れば、それで事が済んでしまう。

まあ、偽装の方法は、企業の業種や事務処理の差によってさまざまであろうが、本質的に「やりやすい」という点では、どれも皆同じである。

先も言ったように、売上の個々の件数を「チェック」することなど、できないからだ。

粉飾決算が「ばれた」ときは、大きな数字になることが多いが、それだけ「外からのチェック」は難しいということだ。

もっと言うと、「粉飾された過大な売上でも、とりあえず通用してしまう」のである。

こんな背景だから、企業は、業績が悪くなってくると、「架空の売上」を計上して「水増しした売上高」を損益計算書に載せるようになる。

その水増しした分、利益も「嵩上げ」されるので、数字だけはよくなるのである。

バフェットは、「利益・利益・利益」というが、それは正しい。

しかし、利益の額のみで投資対象を決めると、こうした「売上の架空計上」で膨らんだだけの企業を引きかねない。

その「利益」はどこから来て、どこに「収まっているか」、しっかりと検証すべきである。

売上・利益ともに伸びているが、在庫や売掛金も同じくらい伸びている、なんて古典的な粉飾をする企業は、結構ある。