「脱税」とは利益を減らす行為で、「粉飾決算」とは利益を過大に計上する行為

「脱税」と「粉飾決算」は、ともに「真実でない財務諸表を作る」という点で一致する。

しかし、方向は正反対である。

「脱税」とは、利益を減らす行為のことである。

最も基本的な公式は、以下のこれである。

「売上」-「費用」=「利益」

だから、利益を減らそうとするなら、「売上」の額を減らせばよい。つまり、売上を計上しなかったりするわけだ。

次に、利益を減らそうとするなら、引く数である「費用」を増やせばいい。つまり、架空の費用を計上して、引き算の数を大きくするわけである。

税金は利益から計算されるから、母体の利益を減らしたほうが、税金が少なくなるという塩梅である。

「脱税」に対して、「粉飾決算」は真逆の行為である。利益を増やすのが、粉飾決算である。

なぜ利益を増やすのかというと、利益の値は即株価に影響したり、利益が出ていないと銀行が金を貸さなくなったり返済を迫られたり、取引相手から取引の中止を通告されたり、公共事業などの公的な仕事が取れなくなるからである。

こうした、税金以上に切実な理由があるので、「利益」を増やす「粉飾決算」が生まれてくるのである。

利益を増やすのは、先の脱税とは逆をする。

最も基本的な公式を思い出す。

「売上」-「費用」=「利益」

だから、利益を増やそうとするなら、売上を架空に計上するなりして売上を伸ばし、在庫の評価を高く見積もったり(売上原価が減るから)、リストラ等をして費用を減らすという塩梅となる。

「脱税」と「粉飾決算」は、似てはいる行為だが、まったく逆の行為である。明白に区別をしておく。