現状では、Google、Apple、フェイスブックの3強が、インターネット上の主導権を争っている。
そして、マイクロソフトとアマゾンの2社を加えた5強が、新経済の「主役」であろう。
個人的には、製糖や塩、パン、種などのオールドビジネスが大好きなのだが、ニューエコノミーがさっぱりわからないので、見ていくことにする。
Googleは、インターネット検索大手。インターネットは「検索」がないと機能しないので、事実上、現在のインターネットのトップ。
これまで『モノ』を扱っていなかったが、最近『モノ』を作って売り始めた。支配領域を広げている。敵はマイクロソフト、アップル、フェイスブック、その他のアプリケーション企業、連邦政府、EUとたくさん。
1.OS:クロームOSを展開。マイクロソフトが独占しているOS市場に切込。
2.モバイル:アンドロイドOSを組み込んだスマートフォンで市場展開。世界シェア3割。アップルのモバイル市場を切り崩す。
3.SNS:大手のフェイスブックに対して、Google+を導入、初動展開中。
4.物販:クロームPCを販売。売れ行き好調。
・2010年度売上290億ドル(2兆3200億円)、純利益85億ドル(6800億円)。
危惧:EUからクッキー利用に関する規制の動き。FTCから反トラスト法に絡む調査。ライバル会社からの包囲網が完成しつつある。
一口で言えば、そらまあ他人の米びつに手を突っ込んだら殴られるわな。他人のプライバシーに一言もなく入り込んだら嫌がられるわな。
Apple
Appleは、一口で言えば、ブランドを売る企業。『モノ』を作って売っている。
「アップル」ブランドを元に、事業展開。もっといえば、『ブランド化』に成功した数少ない企業。
パソコン(Mac)、携帯音楽機(iPad)、モバイル器具(iPhone)、スマートフォン、音楽の配信サービス、アプリケーション(ソフト)のダウンロード販売、広告収入。それらのすべてに、たとえば、バッテリーでも「アップル」だし、イヤホンでも「アップル」だから、付属品の1つ1つにアップルブランド分の利益が上乗せされる。他社は容易に真似のできない商売を展開。
ロイヤリティ(忠誠心)の高い顧客層。カリスマ経営者。垂直統合。独自OS。直販店販売、通信・オンライン販売など、販売方式も多様。
・2010年度売上650億ドル(5兆2000億円)、純利益140億ドル(1兆1200億円)。
危惧:好調だが、一回潰れかけた。『モノ』が売れなくなったときに、危険。現在の好調は将来の不振を補うものでもある。経営者に健康問題あり。
フェイスブック
フェイスブックは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の最大手。
21世紀の石油。次世代インターネットの主流になるのは間違いないとされる。
非公開。グーグルの検索市場を削りつつある。
2011年度の利用者は7.5億人を超える。人類の1割超が市場となっている。
『モノ』は売っていない。経営者が若くてハンサム。彼自身が今後の広告塔になれるのは強い。
現在、マイクロソフトとの提携を強めている。MSFT社製検索エンジンBingとの提携。スカイプとの連携など。
コンピューター、検索エンジン、インターネット、モバイル、スマートフォンなど、今後の「すべて」に関わってくる。
フェイスブックがわかりにくくなるのは、今後の「すべて」に関わってくるため、あまりに対象が広く漠然としてしまうから。様々な素材・商品・モノに加工される「石油」とよく似ている。
どうあっても社会や経済を動かすのは「人」でしかなく、その「人」になる部分に、フェイスブックなどのSNSは関係してくる。素人でも、フェイスブックの持つ個人情報の「おたから」ぶりは、肌でわかる。
・2010年度売上20億ドル、純利益は未公開企業のため不明。1000億ドル(10兆円)の価値があるというのは、頷ける。
危惧:今後どうなるか、経営者も、利害関係人も、ライバルも、利用者たちもわかってないように思う。
過去に前例のない、存在しなかった「新たなこと」だもん。まさに「New World」「Hello World」。だから、おもしろい。だから、脆くて危険。
適当なまとめ
グーグルは、「誰か」が「やって」、「うまくいった」ところに、「改良した商品やサービス」をもって「進出」している。市場が「ある」のを確かめて参入しているわけで、現実的で理性的、合理的な戦略で、一口で言えば、おっさんくさい。
中年臭がスゲエ。
が、フェイスブックは先に何があるのか、わからない。だから、若者にしかできない事業で、おっさんではできない。飛べないから。
若き経営者のMark Zuckerbergさんがカリスマ扱いされ、10代20代の支持を集めるのも、かつてのアップルが、当時の若者を魅了したのと同じ構造だと思うのであった。