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フェイスブックのIPOの直前に、GMがフェイスブックに「広告効果が少ない」と言って、広告を出さないというアナウンスを行った。
このニュースは結構なインパクトがあって、投資家の薪炭を冷やしたように思うし、以降のフェイスブックの株価の伸びを心理的に抑えたように思う。
GMもか、という感じで、購入意欲が萎んでしまったというわけである。
しかし、その内実を見てみると、何ともアレである。
「GM」という言葉と、「フェイスブック」という言葉だけが先行していた。
というのも、GMがフェイスブックに出稿した広告費用など、GMの広告予算の微々たるものであったからだ。
GMは2011年に18億ドルの市場対策費(marketing budget)があった。そのうち、1000万ドルをフェイスブックに費やしたのであった。
そう、GMの広告予算の0.5%くらいしか、フェイスブックには割かれていなかったわけで、要は、GM自体、フェイスブックをお試し程度にやってたとしか思えない、費用の掛け方だったわけだ。
そもそも、ラジオやテレビや雑誌といった広告と、インターネットの広告は断絶するほどの「違い」がある。
それは、広告の費用対効果が明白に数字に表れる点である。
前者のテレビ等の従来の広告は、広告費が購買に関与しているかどうか、いまいちわからないのである。言わば「間接費」なのである。
後者のインターネットの広告は、クリックして購買したかどうか、または、資料請求したかどうか、即断に、広告で「何らかのアクション」があったかどうかを直に「計測」できるのである。
言うなれば、「直接費」なのである。
GMはフェイスブックに広告を打ったが、わたしたちのうち、どれだけが「インターネットの広告」から車を買うだろうかというと、実に心もとない。
ま、そんな風で、GMはフェイスブックに従来型の広告を打って、そいで、インターネットの今風の広告効果を計ったのではないかな、と思っている。
ちなみに、フォードなどのメーカーは、広告に意欲的だと言われている。
フェイスブックの広告効果は、まだまだ結論を出すときではないな、と思う。