フェイスブックの重役のPeter Thiel氏が、自分の持ち株のうち2千万株をロックアップの解禁後に売ったことが明らかになった。
当該売却でざっと4億ドル(320億円)を手にしたと言われている。
そのほかにも、フェイスブック初期の投資家であるベンチャーキャピタルが、5780万株を売りに出したと報告されている。
ニュースとしては、それだけなのだが、一口で言えば、解禁後には株は売られるという次第である。
付け加えて言うと、今回の売却で、『売る』という前例はできた、ということである。
それも、かなり初期の出資者で、現在でもフェイスブックと利害をともにしている人が、「売った」わけである。
ちなみに、Peter Thiel氏は、フェイスブックがまだハーバード大学の学内ネットワークであったときの出資者である。また、彼はペイパルの共同創業者でもある。
現在でもディレクターとして、フェイスブックで作業をしている。
「前例」となるのに、または、「模倣」するのに相応しい人であるのは間違いない。
10月には、初期の投資家の持分と従業員の持分が主な「14億株」の解禁が控えている。
これらのフェイスブック株の持ち主が、Peter Thiel氏の前例に倣って、売りに売るということは十分に考えられる。
いや、おそらくは売るだろう。
彼がフェイスブックの重役であるからというのみならず、彼がかなり「目端の利く」人だからである。彼の投資履歴は、グレイトでエクセレントである。
その彼が売ったのだから、という理由で売る人は多数に上るだろう。
いつぞやの雑文でも述べたように、ブッシュ政権が行った投資減税が延長されない限り、今年のうちに売りに出す株主は多いように思われる。
まだまだ、フェイスブックは「落下中のナイフ」である。
売却についての参考:http://finance.yahoo.com/news/facebook-director-thiel-sold-20-214555717.html
Peter Thiel氏の投資履歴について:http://www.bloomberg.com/news/2012-08-23/facebook-director-s-quick-1-billion-share-sale-lacks-precedent.html