ROE:株主資本利益率

サマリー

ROE(株主資本利益率)は、税引き後利益を株主資本で割って算出する。「Return On Equity」の略。B/Sの資本の部がどれだけ成長したかを示す指標で、バフェットはこの指標を重視している。長期的観点、つまりオーナーの視点から企業を見る指標である。

ROE(株主資本利益率)とは?

株主資本とは、貸借対照表上の「資本」のことで、「資本」とは、『元手』+『今までの儲けの合計』と考えておけばよいでしょう。

大体このことがわかればいいので、わざわざ、会計学の森に入り込む必要はないように思います。

「ROE」は、端的にいうなら、「元手」となったものを、どれだけうまく活用したかという指標です。

「バフェットの銘柄選択術」で述べられているのですが、バフェットは「有料ブリッジ」で表現できるような、誰もが使わなければならない企業に投資します。

その「有料ブリッジ」たるのを示す指標の1つとして、「ROE」を上げています。

「バフェットの銘柄選択術」では過去10年、毎年10%以上を、投資の目安にしています。

参考:Equityなる英単語の意味

参考:バフェットの銘柄選択術

・ROE(株主資本利益率)は、単体では役に立たない。

「ROE」は、少し注意して使わないといけない指標です。

高すぎても低すぎてもだめなのです。「ROE」だけで投資判断するのは危険です。

例えば以下のような財務諸表の企業があるとします。

資産:1050 負債:1000
資本:50

今期は利益が「5」あったとします。

利益が5で、資本が50なら、「5÷50」の「0.1」。「ROE」は「10%」となってしまいます。

「10%」という数字だけ見れば、優良企業に見えてしまいますが、ぶっちゃけいうと、その企業がその利益を出すには、巨大な負債の存在があってこそのものです。

こんな風に、負債が多い企業ほど、「高ROE」現象が発生します。鉄道や公益事業のような、確実に需要と利益が見込まれるのであれば、「巨額の負債」も意味はありますが、そうでない事業会社なら、高負債は望ましくありません。

高い金融負担は、確実に最終利益を損ない、事業環境の変遷をもろに受けてしまうでしょう。

負債との比率を見ないと、「ROE」は意味を成しません。

「ROE」は重要な指標ですが、だからといって、一人歩きさせてもいけません。

・ROE(株主資本利益率)は、単年度では役に立たない。

「ROE」は、先も言ったように、資本の部がどれだけ成長したかを示す指標です。

「成長」という言葉は、当然ながら『時間』の存在がその前提となっています。

ですから、ある年だけの「ROE」を引っ張り出してきても、「時間」が前提されていないので、無意味です。

オーナーとしては、毎期安定して、良質な「ROE」が計上されてるかが重要であって、「単年」の成績だけ出されても困るのです。

また、先も言いましたが、「バフェットの銘柄選択術」では過去10年、毎年10%以上を、投資の目安にしています。

わたしたちも、過去5年間の「ROE」の推移は、最低限、見ておくべきかと思います。

時間的推移のもとで、「ROE」を追わないと、その企業の本質的な価値が何なのか、わからないでしょう。ちなみに、M自動車でも、「ROE」を10%つけた事があります。

・ROE(株主資本利益率)の目安。

投資においては、公式化・定式化は、危険ではあります。

「それ」が、本当に正しいのかどうか、わからないからです。

とんでもない指標が「好評」を博して、平気の平左で、銘柄評価に使われています。

そうした「背景」を知り尽くした上なら、別にかまいませんが、その指標が何なのか、わからないのならば、そんな見しらぬ「外国産ものさし」を使う必要はないでしょう。

ですが、「ROE」は、賢明かつ慎重な投資のためにも、定数化してよいように思います。

「ROE」は、10%から20%あたりを目安にして、見ていけばよいように思います。

「ROE」が低いと資本効率が悪いか、それか市場そのものが限界に達している証拠であり、今後の成長性は見込めず、つまり、株価の伸びも鈍い、と相なります。

逆に、高すぎると、負債が多いだけの場合があります。

当然ですが、どうして「ROE」がそんな値になるのか、知っておくべきです。

同業他社が、数%の「ROE」なのに、ある企業だけ10%を超えるような高い「ROE」をつけているなら、その理由を説明できるようにしておくべきです。

特許やブランドがあるなどの、相応の理由があるのならいいのです。

しかし、決算を粉飾していたり、必要な設備投資ケチっていたり、研究開発費を絞っていたり、単に愚かな企業統治が行われ、人員整理で見せかけの「利益」を嵩上げしたケースが、多々あります。

「ROE」は、オーナーの立場から見る指標です。そういう「企業」がほしいのかどうか、胸に問い正して見ることです。道徳と良心は、最終的に割に合う。

・ROE(株主資本利益率)の問題

一口で言うと、高「ROE」で優良な企業は、数が少ないために、投資の機会が少ないのが大きな問題です。そして、大体そういうエクセレントな企業の株価は高くて、そのままでは「いい買い物」にならないのも、問題ですなあ。

バフェットの、「パンチカード」の比喩は、言いえて妙であるかと思います。