大概の中小企業は、赤字の方が好ましい。
黒字だと税金を支払わないといけないし、税務署の調査も増えることになるからで、メンドクサイことしか生まれないからである。
黒字でないと借金の返済を求められるとか、新たな融資を受けられないとか、仕事が受注できないといった余程の理由がない限り、中小企業は「赤字」にする。
で、当該「赤字にする作業」の最たるものが、「売上を減らす」ことである。
「売上-費用」が「利益」になるわけだから、費用が引かれる母数が少ない方が、利益が少なくなるわけで、ならば、売上を費用を下回るようにすれば、求める「赤字」になるわけである。
で、売上を減らすには、となる。
まずは、『現金商売』を増やして、現金で売れたものを計上しないことである。
ガクトが所得税か法人税法の違反で国税局の調査が入ったが、どうも、コンサートやライブでの、タオル等のグッズ販売に関する“不透明な処理”が目的らしい。
会場でのグッズ販売は、当然ながら、商品と現金の手渡しとなる。
そう、領収書が残らない。だから、抜こうと思えば、正確に言えば、売上を隠蔽しようとすれば、いくらでも調整ができてしまう。
現場にいても、タオルが何枚売れたなんてわかるわけがない。
1000枚売れていても、100枚でしたと言われたら、「そうか」としか言いようがない。販売している現場をビデオを撮るわけにも行かない。
税務申告の際は「ビデオ撮影して添付せよ」と言ったら、逆に、「そういうビデオを撮っておけばよい」ことになって、いたちごっことなる。
先のライブ会場のグッズ販売のように、特定の店舗を持たず、現金商売で、不特定多数の商売は、かなり売上をちょろまかせる、という次第だ。
「売上を計上しない」身近な例は、フリーマーケットが最たるものであろう。
フリーマーケットをやっている人すべてが、無申告なわけではないが、まあ、正式にやってない人が大半だろう。
次に、「ある特定の取引だけ別口座に振り込ませる」ことである。
銀行口座を2つ作っておいて、新規や一見さんの取引だけを、通常使う口座とは別の口座に振り込ませるのである。
当該「別の口座」が、よく言われる「隠し口座」である。
しかし、口座を使うので、どうしても「記録」が残ってしまう。口座の存在を突き止められる
次に、現金過不足で、毎日少しずつ、レジなりから現金を抜いて、雑損扱いすることもある。
まあ、それでも、あまりに多額であれば、調査なり指導されるので、効果は少ない。
「現金過不足」勘定だけが異常に膨れていれば、アウトになる。そこそこの額で収めるのがコツだが、数年に1回は使える。