相続税や所得税の節税での資産逃避(キャピタルフライト)はよく考えて

相続税や所得税を回避するために、香港やシンガポールといった税金の安いところに、資産を移すのがよいと言われている。

一見すれば「よい節税対策」に見える。

しかし、資産逃避も「資産運用」であるから、「知らないものには手を出さない」か、よくよくに研究してから手を出さないといけない。

というのも、2つの「大敵」があるからである。

1つは、「斡旋悪徳業者」の存在である。

「資産を移す」には、移行先の外国の「銀行なり証券会社の口座」が必要なのだが、口座開設までは親切だったが、だんだんと「怪しい金融商品」を勧めてくるように、それも、恐喝めいた風に言うようになった、というケースは多々ある。

“向こう側”からすれば、こちらが“無知”であることを知っているわけで、その“無知”という情報の価値を、いつ使ってくるかわかったものではない。

逆を言えば、業者側からすれば、「口座開設」から入金にまで事が運べば、後は赤子の手を捻るみたいなもの。

よくよく研究してから手を出すべきであろう。

よく言われる仲介業者のチェックポイントはとしては…、

・口座開設の際に「互助会」的な会合(情報交換・交流団体)への入会を強制する、しかも、入会金・年会費が結構な額である。

・ファンドの解約に高額な手数料が取られる。

・ファンドの乗り換え費用が高額。

…などがある。

ま、一般的な投資業者の選別に沿っていれば、悪徳業者にひっかかることもないだろう。

下手をすれば、運用損以上に「持ち逃げ」のケースもあるので、早々には手を出さないことだ。

雑誌や新聞の「投資広告」などによって選ぶのは、もってのほかのように思われる。

あの「近未来通信」も、堂々と4大誌で広告を打っていた。

「あぐら牧場」も、メジャー投資雑誌に広告を打っていた。

「知らないものには投資しない」が、投資の真髄だと思う。

そして、2番目の大敵は「税務署・国税庁」である。

海外に口座を移しても、「日本の居住者」であると、タックスヘイブンで資産を運用しても、その運用益は日本で確定申告して、納税しなくてはいけない。

贈与も相続も同様で、外国の口座に資産があっても、当の本人が日本の「実質的居住者」であれば、課税対象となる。

「住所だけ移しておけばよい」と考えるのは浅はかである。

「住民税の住所移転」は、調査する側が市町村なので、調査能力がないのである。

だから、取りあえずは有効なのであるが、事が「国税」となると話は別で、調査能力は比較にならない。

しかも、税務署・国税庁側からすれば、「儲かることこの上ない」ので、住所を海外に移したことにしても、必ず、内定調査で日本に“実質住んでいる”ことを証明だてることだろう。

億単位で資産を移しているなら、十分に、数人の調査官をまわす価値はある。だから、必ずやる。

海外資産も課税対象である。

資産回避をするのなら、前もっての税法の研究と判例の十分な研究が必要である。

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