偽の領収書、または、偽造された領収書を売る業者を「B」や「B勘屋」などという。
多くのギョーカイで、「B」という隠語はよくあるが、税金の世界でも「B」という言葉は成立しているようだ。
だいたい、裏金の事を指すのを「B」というなあ。
さて、当該偽の領収書だが、額面額の5%が領収書の相場という。今では、3%くらいで取引されているという。
当該領収書は、幽霊会社や休眠会社の名義・住所で作成される。
だから、一目見ただけでは、「にせもの」かどうかはわからない。
偽の領収書が「流行る」理由は、即、脱税ができるからである。
5万円なら5万円、10万円なら10万円、その金額が書かれた領収書一枚で「費用」が増えて、その領収書の額面分の税金が減る、というわけである。
たかだか1枚の紙を買ってくるだけで、税金が浮くのだから、一見「おいしい」ように見える。
しかし、偽の領収書による脱税は、言うほどに甘くない。
なぜなら、その偽の領収書を使った脱税が、どこぞの企業でばれたら、「そっくりそのまま」、その領収書をもらっている企業全てが、脱税していることになるからである。
まさに、一網打尽で、1社でばれたら芋づる式に脱税がばれてしまう、というわけである。
税務署の調査官からすれば、こんなに「おいしい」ものはない。
継続して取引しておらず、突発的に出てくる領収書を、税務署は丹念に洗うことを、頭の片隅においておくべきだなとつくづく思う。