脱税の基本は、「記録を残さない」ことにある。
記録に残すと、どうしても「改竄の後」や「作為の後」が垣間見えて、浮き出てしまうからである。
しかし、現代では、大半の商取引は、「記録」が残ってしまう。
コンビニでパン1つ買っても、レシートが発行されるし、当該売買記録は、店側のデータベースに記録される。
「記録なし」に取引するのは、ほとんど不可能である。
そこで、「簿外口座」を作って、「ある取引」だけは、そこで決済するのである。
毎期継続する取引は、「税務署に報告した銀行口座」を利用する。
なぜなら、急に今回だけは、○○の口座に入金して、となると、取引先に不振がられるからである。
(あーやってるなー)と思われて、弱みを握られてしまう。
ぶっちゃけ、こういうところから、脱税は漏れる。
そこで、「お得意さん」との取引は、正常の銀行口座で決済するのである。
そして、一見さんなど、おそらくもう二度と取引しない相手とは、通常の口座とは別に作った銀行口座に振り込ませる、といった塩梅である。
もちろん、その簿外口座で決済した売上を控除するわけである。
取引相手が「個人」なら、取引の記録などスグ捨てるので、「向こう側」の半面調査からもばれない。
一概に言えることではないが、よくネットショップなどでは、「運営者名」と「運営会社名」と「振り込み口座名」が微妙に違っていることが多い。
なんで「ショップ○○」で、運営会社が「ほにゃらら商会」なのに、「振り込み先銀行口座」がそれらとは違うのか、ある意味、判断材料にはなるだろう。
親会社の口座なんです、などが、よく使われる言い訳である。
当該「簿外口座」で決済する方法は、極めて有効な手段であるが、税務署側もそれを熟知しているので、しつこく「どこに隠れた口座」があるかを割り出してくる。
ある意味、狙い撃ちされるわけだ。危険も多いことを明記しておく。
テレビやドラマ、映画で、「はんこと銀行の通帳」を脱税者が隠すのが脱税の定番シーンだが、上記のような簿外口座の背景があるからだ。
脱税は、ある意味、「豚は太らせて食え」を自分からやることなので、しっかり研究する必要がある。
個人的には、脱税よりも、節税をしっかり研究したほうがいいと思う。