・バフェットからの手紙の感想4:合併・買収

『バフェットからの手紙』の第4章では、株主にとっての合併と買収について真正面から取り組んでいます。非常に大切な企業観が含まれています。

CHAPTER 4
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バフェットからの手紙
 株式投資を超える優れた読み物。

第4章、合併・買収 Mergers and acquisisions

結論:合理的で理性的な買収は、難しいということです。合理的で理性的な買収でさえ難しいのであるならば、バフエットの主張する「楽観主義」に基づいた買収など、困難を越えているということです。

こうした買収の原因を探ると、「ひどい動機」が根底にあると主張します。

簡単にバフェットの論述を要約すると・・・

経営者
能力や努力だけでなく、押しやコネ、複雑な社内政治でのし上がった、積極的な自信家である。


その自信家の周りに買収を奨めるコンサルタントや投資銀行、証券会社などの金融機関が
ステキな買収案を持ってくる。

よさそうに感じる経営者。うほっ、いい買収

高いプレミアムを払って、買収が始まる。

失敗の教訓を求めたいかと思われるが如く、反省を繰り返す。

・・・と、こんなところです。そして、買収の失敗のツケは、株主に回ってきます。

希薄化された株券と、その株券の証券市場での評価、つまり株価の低下、のふたつとして表れます。買収について、バフエットの気の利いた引用があります。「注意すれば多くのことに気づく。」 と。

わたしが20代で得た人生の心理のひとつです。 ___| ̄| ○|||

そのほか、合併について、念頭におかねばならないのは、「資本政策」であることが強く主張されています。

企業の資本政策、つまり株券の発行や増資、減資、自社株買い、配当、留保利益etc・・・には、深い関心を持ってあたらねばばらないと激しく述べています。特に合併劇での株式交換等については、投資家にとってそれは何を意味することなのか、言葉を代えて説明します。合併等に、簡潔でこれほど、言いえて妙な文章は、ほかにないと思います。

基本的に株主にとって重要なのは、自分の持分たる資本政策だと。

(たとえば、A社1株あたり、B社云々株を割り当てる・・・など。)

個人的な意見ですが、企業の資本政策は本当にキチンと調査すべきです。鬼のような企業、意味不明な、(私のケースだと、分割と自社株買いをよくわからないペースで繰り返す)企業がたくさん、しっかりと上場されています。)

バフェットの目標は、

その事業を理解でき、また長期にわたり良好な経済状態を維持する事ができ、好ましく信頼できる経営者によって経営されていると信じることのできる企業の一部か、全部を買収すること、です。

どういう企業がそれにあたるか、普通の書籍では載っていないような、例え載っていてもここまで簡潔に述べれる書籍はないように感じます。

:上記目標の用語補足:

「長期にわたり良好な経済状態を維持する事ができ、」
・・・バフエットの銘柄選択を参照。

「好ましく信頼できる経営者によって経営されている」
・・・バフェットからの手紙に至る所に、「経営者」について述べられています。

その他、この章は、ウイットに富んだ面白い比喩が、ここに記述できないほどたくさんあるので、笑ってみてください。

:追加:
〜ジョークやら用語など気になったものを

LBO(levereged buyout、レバリッジドバイアウト)
買収企業の資産を担保に借入を行い、この資金を原資に企業買収を行う、企業買収手法の一つ。

この章では、この企業買収の説明があったので、ここに記述しておきます。レバリッジとはテコの意味です。借金(負債)でレバリッジを効かす、と使われます。おそらく、レバリッジの最も単純な使い方は、こうです。

今ここに物品売買の商店があって、その資本を商品の仕入等に使うと仮定します。その商店は、商品を仕入れるたびに、売れます。そこで、もっとたくさん仕入れたいが、お金がない、そのようなときに、銀行から融資を受け、これまでよりも多くの商品を仕入れ、そして売上が伸び、利益もともに伸びる。こんな風に使われるでしょう。借金をテコに事業を大きくするのです。

LBOは、借金をして企業を買収します。買収後、おおきな負債を抱えた会社が出来上がります。LBOの利点は、法人税効果です。

つまり、膨大な借金がありその利払いは、当然の如く、費用として損金扱いになります。赤字が出れば、税負担はありません。

(借り入れが巨大な企業は日本にもよくあります。個人的ですが、大証の上場企業はそのケが多い気がします。)

次に、人件費や部門をリストラします。当然の如く、企業の負担は軽くなります。次に、残った部門を超高値で切り売りします。競争相手になどです。やっぱり、証券先進国アメリカ。やることがエゲツナイ。

次にアメリカで、はやっている(はやっていた?)指標を書いておきます。

EBITDA、イービットディーエー
利息支払前、税引き前、減価償却前、のれん償却前営業利益

LBOについて、バフェットは慎み深く、こうコメントを引用しています。

「からっぽの袋は、まっすぐ立つことはむずかしい」

コンサルタント笑い話

この章でベストなジョークだと思いましたので抜粋します。

ある企業がコンサルタントを雇いました。そのコンサルタントは、当然そのとき流行であった、「経営の多角化」を奨めました。

「集中特化」はまだ、はやっていませんでした。

そして多くの企業を買収しました。結果、経営者は悲しげにこういいました。

「始めたときは、元の会社から収益を100%得ていました。10年後には、元の会社の収益が全収益の150%になっていました。」

腹を抱えて笑いましたね。徳間書店から「悪魔のコンサルティング」、ルイス・ピーノルト著、が出版されています。コンサルタントの何たるかがわかるので、日経新聞やビジネス誌のコンサル関係の書籍や記事に、うぶな感情であたってしまう人は、読んでみましょう。



 

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