・バフェットからの手紙の感想1:コーポレートガバナンス(企業統治)

『バフェットからの手紙』の第1章「コーポレートガバナンス(企業統治)」の感想文です。じっくり読み込めば書籍代の何十倍も返ってきす。赤ペン持ちながらヒイヒイいって読んで下さい。

CHAPTER 1
真スルメ書籍

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バフェットからの手紙
 株式投資を超える優れた読み物。

バフェットからの手紙は難しい

はっきりいって、難しいです。最初からすらすらと読める書籍ではないので入門には適していません。中級くらいかな、と思います。

この書籍はBERKSHIRE HATHAWAY INC.にある、「Warren Buffett's Letters To Berkshire Shareholders 1977 - 2002 」の邦訳版です。

何の前提もなくこの本を読んでも、全くわからないと思います。ですが、もっともこの書籍が投資方針に影響を与えたので、個人的に絶対にお奨めします。

第1章、コーポレートガバナンス(企業統治)。第2章、コーポレートファイナンスと投資。第3章、普通株。第4章、合併・買収。第5章、会計と税金。

バフェットからの手紙は、上記5章から構成されています。この本からは、どのような企業をバフェットは好ましいと考えているか、つまり、どのような企業に投資すればバフェット並の投資収益を上げられるか、を中心にして読んだ感想などを述べていきます。

(バフェットは、自分の好ましい企業に投資して結果を出してきた。ならば、その好ましく思われている企業とよく似た日本の企業に、資本を投下すればよい、ということになります。)

第1章:コーポレートガバナンス(企業統治)

企業統治。
所有・経営・管理ではなく、統治という視点から企業を見た場合、日本では統治の実権は経営者にあると見られるのに対して、アメリカでは株主にあるとされる。

企業統治といわれても、ピンとこないかと思います。goverment が、政府と訳されています。政治は国民主権ですね。

つまり、政治の決定権は国民にあり、そこから生まれる結果、利益などは国民に授与されねばならない、ということになります。

これを踏まえて、コーポレートガバナンス(企業統治)を考えると、企業は誰のために『ある』のか、ということです。このあたりで、語句の説明を止めて、中身に入ります。

この章では、「株主」と「経営者」を中心にして話がすすめられています。

「株主」については、簡潔に述べられた一文があります。「農場やマンションを、家族と共同で所有する」ように、株式を所有する株主であって欲しいと述べます。

なぜなら、頻繁に株式の売買をくり返すことは、税金や証券会社に払うコストからみて、長期的には非常に無駄、だからです。

バフェットは、合理的にものごとを考える人です。長期的に株式を保有することこそが、合理的にリターンを上げる事ができるからです。

理由は簡単、単に低コストだからです。
(この短期売り買いと長期保有の利益率の数字の違いは、「バフェットの投資の真髄(ダイヤモンド社)」に載っています。)

バフェットは自分の好ましい人と仕事がしたい、と述べます。バフェットからすれば、短期で株式を売り買いするなど、不合理で好ましくないのでしょう。

「経営者」については、明確に「株主の立場で経営を考える人であるべきだ」と述べます。ストックオプションについての批判は有名で、日経でもバフェットのコメントが載っていました。ストックオプションについて、この本の1章で、非常にわかりやすい表現がありました。

「ストックオプションの所有者は、資本コストを追わないのに対し、株主はそのコストを負う」

「オプションの所有者は、(株価の)下値のリスクはゼロ」

要するに、むやみやたらに、ストックオプションを経営者に付与する会社は、「株主本位」ではない、ということです。

「経営者報酬」にも興味深い1文を寄せています。経営者の報酬は、その事業の資本利益率の上昇率から決定されるべきだと。

大きな増資や、借金をして、売上を倍にしたところで(日本なら債務免除益?)、企業の資本利益率に変化がなければ、意味がないということです。

しかし、こういった単純な計算が無視され、売上増大等で報酬が大幅アップしてしまう物なのです。こうした、報酬制度(日本の財務諸表では「役員報酬」)も経営者の質の判断に役に立つのです。

赤字なのに、役員報酬は変わっていない、黒字転換だけで、大幅アップなど、そういった点で判断することもできるのです。例え会ったことがなくても。

よく従業員の賃金制度の変更は、新聞等で紹介されますが、「役員報酬」についてはめったに見ないですね。

バフエットは「経営者」の質(方向性といってもいいでしょう。)を、非常に重視しています。その他、企業の「寄付」行為についてにも言及し、経営者の質を考える上で非常に内容が深くなっています。

それでなくても、「グリーンブラッド投資法の感想」でも紹介されているように、「インサイダー」の動きは、企業の特殊状況における、企業の本質をクッキリと浮かび上がらせるので、とても重要です。



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