megauploaderといったオンラインストレージを利用したアップローダービジネスが摘発された。
儲けのからくりと言うのは単純である。
ます、漫画や映画、音楽を自分のアカウントなり割り当てられたフォルダにアップロードする。
それを“無料”でダウンロードできるようにする。
しかし、当該“無料”のダウンロードは、帯域を制限して下り速度を遅くして、ダウンロードに数時間、下手したら1日かけて落とさせる。
また、IP制限をかけて、連続でダウンロードできないようにしたり、再びダウンロードするには24時間後にしたりといった時間制限をかける。
当然、利用者はイライラする。不便を感じる。
そこで、即ダウンロードできる“有料版”はいかがですか?と相なるわけで、1年で1万くらいが相場だろう。
しかし、逆を言えば、1年1万で、「ネットにアップロードできる全ての著作物を手に入れられる」わけだから、「安い」ともいえるだろう。
このビジネスの要は、『ただただ著作権を無視していること』しかない。
いわば、製作や著作に対して、何のコストも掛けることなく、支払いをすることなく、「それを売り物にする事ができる」のである。
逆を言えば、何の手助けもしてない奴に、製作や著作の一番おいしいところを奪われている、製作者や作者たちが踏んだり蹴ったりなわけである。
報道によると、megauploaderの一連の関係者は、「これまでに300億」ほど儲けたのことだが、金額だけ見れば、当の本人たちは儲かっただろう。
しかし、「コンテンツ」という製作物がほとんどタダ同然に頒布される社会全体のコストを考えると、全くの非経済になってしまうな、とつくづく思うのである。
世界規模で著作権無視ビジネスをして、「300億」の利益しかないってことだから、ほんとに市場規模が小さいということである。
300億の純利益だとしても、売上高純利益率を50%としても、600億の売上高。
600億の売上高…どこぞの映画会社の足元にも及ばんし、中小規模の出版社・製作会社程度の売上高しかない。
いわば、それだけ、音楽や映画や漫画や小説やその他の市場(マーケット)が「縮んでしまう」ということで、縮めば縮むほど、「文化的なもの」はつまらなくなってしまう。人が入ってこなくなるからだ。
FBIのmegauploaderへの強制調査をわたしは支持したい。
何てたって、「著作」というものは、作る人にとっても見る人・聞く人にとっても必要な意味を持つわけで、それは、世界で数兆どころでない規模を持つ市場である。
そのために、生きる人もいるし、それを生きる甲斐にしている人もいる。それを、数千億単位の一部の「組織」の儲けで、ダメにしてしまうのは全くの不合理で、勘定が合わないと思うのである。
しかし、こんな経済社会状況の世の中でも、きっちりと「中身のあるコンテンツ」「意味のあるコンテンツ」を生み出している人がいるわけで、そういう「創作者」たちに感謝の意を表したい。負けるな!と言いたい。
「人は意味を消費しながら育つ」わけで、衣食住の「次」を担っているのが「創作」という仕事で、社会の重要な部分を支えているわけだし。