目論見書とは、新規に上場したい企業が作った「もの」

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

目論見書とは、大きなお金が絡んだ「上場」を行いたい企業が作った「もの」である。このことを忘れてはいけない。最も注意を要する財務書類である。

新規に上場する企業が株式公開に際しては、目論見書を作成する。

いないとは思うけれども、この目論見書を、そっくりそのまま信じてはいけない。

「お見合い」をするときには、いつもより数倍の化粧をするように、「お見合い用の写真」に加工や修整が加えられるのと同様に、目論見書にも、かなりの「会計操作」が入ってくるものと心得ないといけない。

上場するためには、一定の制限がある。

たとえば、東証に上場するには、直近1年の利益が4億円以上で、株式の時価総額が40億円以上という決まりがあるわけである。

上場をするメリットは、株式市場から資本調達ができる点である。

これまで、1株は1株でしかなかった。つまり、貸借対照表の資産から負債を引いた資本の部を、発行した株式総数で割った「価値」しかなかった。

しかし、上場すれば、「1株は1株でしかなかった」株が、何倍にも評価され、「取引」されるのである。株価純資産倍率ってやつである。

創業者や初期の株主は、持ち株を売り払うことで、投下資本の何倍もの現金を手にするという次第である。

しかも、当該上場に関する利益は「非課税」である。一種の「評価替え」に当たるからである。

このように、上場には大きな現金が絡むわけで、そこに大きく「上げ粉飾」の要素が入ってくる。

言うまでもないが、「上げ粉飾」とは、利益を大きく見せるための会計操作である。

無理に無理を重ねて売上と利益を伸ばしたが、その反動で、上場後に、売上・利益ともに落ちる企業はたくさんある。

上場するために、通常の会計処理を超えたことをする企業もある。土地を出資して自分が作った会社を解散させ、当該解散によって帰ってきた清算配当を「利益」に付け替える企業もある。

目論見書とは、大きなお金が絡んている「上場」をしたい企業が書いた「もの」であることを肝に銘じておく。

まさに、通常のわたしたちが使う、生活の言葉である「もくろみ」が書かれたのが、目論見書なのである。