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| 相場師 ・集英社・清水一行
価格: ¥105円
−古本屋(税込)
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「相場師」は、生粋の北浜ッコ(大阪の株式市場)である主人公の成長のお話です。
成長といっても、若者の成長物語ではありません。
とうのたった、オッサンの成長物語です。
相場師から経営者への脱皮というテーマです。
このテーマを中心に、証券会社の社長でありながら、相場師のオッサンの「相場はしたいけど、会社の経営はメンドクサイノー」という葛藤が舞台が展開されて行きます。
この葛藤が、相場師というものの習性や生き様を、くっきりと浮かび上がらせていくのです。
この小説の読みどころは、相場師をイキイキと書ききっていることです。
主人公の葛藤の姿を通して「相場」のなんたるかをわかることができます。
「相場」「市場」のプレイヤーの怪しさ。
金というものの融通さ。
相場の参加者のキツネとタヌキぶり。
「証券投資」というゲームの理解の足しになること間違いがありません。
下手な「株式投資入門」より、はるかに「投資成績」に資するものでしょう。
また「相場師」は、相場だけでなく、証券会社という企業も舞台です。
金の人の狂わし方。
権力闘争、横領の手口、監査・調査の大切さ。
経営の読み物としても、読み応えがあります。
ラストはアレでしたが、後書きがそれを救っているので、読後感もよろしい。
すらっとさらっと読める、おもしろい小説の典型ですね。しかも、相場というものの知識も付く、人生の何たるかも感じられる、よい作品です。安い。
以下、個人的メモ−−−−−−−−−−−−−−−−
「金は数えんでもええ・・・」
感慨を込めた低い声だった。そのときの池川大二郎の心中は、屈辱と怒りに渦を巻いていたに違いなかった。
「残酷な扱いやった」と死ぬ間際に漏らしていたというのだ。
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「人間はおろかで、株は賢いモンやな・・・」
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前夜は一晩中混沌とした想念が周平を苦しめ、相場のことや、これから先の運命にまつわる妄想が、次から次へと脳裏に殺到し、妄想の果てしないドラマのように続いて、とうとう一睡もせずに世を明かしてしまった。
夜は相場をする者にとって、あらゆる懊悩が激しく葛藤し、渦を巻く瞬間である。相場師にとって夜は迷いでしかない。相場は決断が全てであり、相場を決断する相場師の骨格は、現に目の前で躍動し息吹いている相場との対面の中でしか決定することができないものであった。
むかしから何人もの相場師が夜を逃れ、迷いを凌ぐために苦闘してきた。ある者は溺れる漁色に自分を叩き込み、別な相場師は激しい浪費の渦に自分をさらすことで、殺到する妄想を断とうと努力した。周平にも何度かそういう時期があった。
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おもしろい!!
「クーラーくらい入れたらどんなもんです?それとも金冷えがして、暑うてても暑くないのやったら別ですけど」
味わいたいですのぅ。。。
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