議論のウソ―講談社現代新書:小笠原 喜康 (著)

わたしたちの語ること・考えることは、意外にありがちです。「ストップ高」「儲かっている」etc...「議論のウソ」のパターンに陥らない「読み方」をわかりやすく述べてます。

 

議論のウソ

・講談社現代新書/小笠原 喜康 (著)

価格: ¥756 (税込)

ウソというのは、誰かが意図的につくものではなくて、作られているという構造が学べます。

統計のウソ・権威のウソ・時間のウソ・ムードのウソ、と各テーマに沿った具体的な例を以って、案外ありがちな罠に引っかかっている自分を発見します。

わたしが一番面白かったのは、ムードのウソでのテーマ、「子供の学力低下」でした。

学力低下が叫ばれて、ゆとり教育が見直されたのは、皆さんの記憶に新しいと思います。

本書を読むと、本当に「学力」というものが低下したのかどうか、どうも〇〇調査やテストの結果だけで判断している社会全体に不信感を得るのではないでしょうか?

ここでは、PISA(国際学力到達度調査)という国際機関の子供の学力調査結果を使っています。

その中で面白いのが、順位についてです。

数学リテラシーが、1位から6位に落ちた。→子供の数学力が落ちた!!

と、マスコミが飛びつきそうなのですが、統計的に見ればほぼ同じ順位の範疇なんです。

1位から6位までの点数差は16点だったからです。

この調査の問題もアレで、たとえば為替を用いた問題があるのです。
面白いのは、国際的な都市で通貨が入り混じる地域の国の子供はいい点数です。ドルや円で暮らせている、日本やアメリカの子供の点数は悪いとw

問題自体、日本の教育では教えていない・勉強させていないことも多いのです。基本的に、日本の学校教育は詰め込み・暗記教育ですから。

それなのに、学校教育の失敗で、子供の学力が落ちたというのは、ちょいと早計じゃないの?と鮮やかにその矛盾を表してくれています。

こんな風に、作られるウソの構造が、完結でわかりやすい文章で表現されています。

すらすら読めるので、1時間くらいで読破しちゃいます。

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わたしは基本的に、マスコミや雑誌、ネットを含めて、情報産業というのは「煽るもの」だと考えています。

そして大切なのは、煽りが悪いことではなく、そういうものだという素朴な疑問です。

相手も商売でやってるんです。

だから、わたしたちはキチンと、そのサービスの意味を汲み取って消費すればいいのですね。

「メディアはマッサージである。」―マクルハーン

「議論のウソ」で拾いました。いい言葉だと思います。

小笠原 喜康 さんの本は、「インターネット完全活用編―大学生のためのレポート」や「大学生のためのレポート・論文術」などがあります。

ネット社会での情報収集・加工・判断にえらい役に立ちます。精度の高い情報を集めて、見抜きたい人にとって良質な入門書です。



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