あまりに隔絶した世界の話なので、わたしたちには、「株主の変動」には、あまり関心を持ってない。
それが、「大株主」の変動ともなれば、殊更である。
しかしながら、「大株主の変動」というのは、当該企業にとっては実に、実に大きな変化なのである。
それこそ、これまでの企業とは一変するほどの、影響力を持っている。
だから、もし、持ち株なり投資先企業の大株主が変ったときは、細心の注意と、以降の動向を見守る必要がある。
かの堀江のライブドアも、最初は「IT企業」として地味な企業活動をしていた。
そう、本業の企業のホームページ作成から、ポータルサイトの運営といった「IT」的な事業が主であった。
しかし、著名外資系証券会社が、ライブドアの株主として経営に関わってきてから、ライブドアの企業経営の方向が変化してきたと言われている。
ホリエモンの「ああいうやり方」は、彼独自が考案したのではなくて、誰かが裏で絵を描いていた、と仮定すると、実によくわかるのである。
なぜなら、最初から「自社株売買」で儲けを得ようとするなら、創業当初の地味な活動が説明できないからである。
途中で「吹き込まれた」と考えると、通じるものがあるように思われる。
ま、こんな風に、大株主の変動は、当該企業の活動を一変するほどの影響力があるので、要注意である。
もちろんのこと、大株主の変更のすべてが悪いわけじゃない。
たとえば、跡継ぎがいない中小企業のオーナーが、株を売ったために、株主の変更があったというのなら、正当な理由なので、それほど、注意をする必要はないだろう。
普通に、経営の悪化が明らかなので、「投下資本を回収した」ために、起きる大株主の変動もある。
これは、正常な資本移動なので、要注意ではあるが、そんな企業からに投資は控えるべきだろう。
逆に、景気がいいので、どんどこお金(出資金)が集まって、大株主の変動が起きることもある。
こんな次第で、最も利害関係のある「大株主」には、もっと注意を払ってもいいだろう。
端的に言えば、儲かっていればお金は集まるし、危なかったらお金は逃げる。
その他、安定した運用を望む企業が、たとえば、生保や銀行が大株主ならば、当該企業は「安定・安心」であるともいえる。
個人的にアレなのは、大手ファンドが、特に、ハゲタカ的に言われている悪名ファンドが、大株主になったときは、注意をしている。