フェイスブックの内在価値は減ってはいない。

フェイスブックは上場後、初の四半期決算を公表したわけだが、結果は純損失は1億57000万ドル(GAAP値)であった。

とはいえ、今回の決算は「兵家の常」的なもので、フェイスブックそれ自体の危険さや危惧を示してはいないように思われる。

まず、今回の赤字の原因は、上場に関する費用が増えた/上場関連の補償の計上が響いているわけだが、「仕方のない」ことでもあるだろう。

上場の際に、システム側のトラブルにまで考慮は及ばないだろう。言うなれば、“天災”に近い。

研究開発費の大幅アップも、言ってしまえば、「そうしないで、何に上場で得た資金を使うのか」と相なる。

「こういうことをやりたいのだが、それにはたくさんのお金がかかる、だから、出資してくれ」というのが、IPOの教科書的意味である。

新たに得た資金で、研究開発費を伸ばしたのも、正しい方向性ではある。

さて、先も言ったように、今回の四半期決算では、フェイスブックに内在する価値が毀損しているとは思えないのである。

結論から言えば、いつも通りの、上場前から言われていた「マネタイズ」の進捗が遅れている、という塩梅だけで、目新しさはない。

そもそも、未だにSNSとしては、世界一のユーザー数「9億5000万人」を誇っている。

グーグルプラスが2億5000万人とのことだが、グーグルの場合、SNSでもシェアを伸ばすと独禁法の赤ランプが点滅するので、フェイスブック的には脅威ではないだろう。グーグルの方が、影響は大きいはず。

当該ユーザー数が落ちに落ちて、売り上げや利益が減っているのならば、危機的であるが、現状では他のSNSやサービスに顧客が奪われている現象もない。

次に、広告の手合いが増えていることも、フェイスブック自体の価値が損なわれているとはいえない。

スポンサー広告が好意的に受け止められている(ユーザーの記憶に残りやすい)ことからも、今後、スポンサー広告の比重は高まるだろう。

ローカルビジネスへの取り組みも、これからである。個人的には、実に個々に興味を覚えている。

当たり前のことだが、財務的な問題はない。金融費用の支払いのために、利益が食われて経営が苦しくなると言うような状況には、「全くない」。

バランスシートを見ると、2012年7月の流動資産は120億ドルある。

そのうち、現金及び同等物は20億ドルで、手持ちの現金だけで負債の全てを弁済できて、なおかつお釣りが来る。財務的に、倒産問題はありえない。

参照:FACEBOOK, INC.BALANCE SHEETS (In millions) (Unaudited)

http://bit.ly/N4lTph

基本、わたしは、企業の短期的な動向を気にしない。気にしてもわからないからである。

フェイスブックは、当たり前のことなのだが、企業として活動して「10年」もたってない。

外からやいのやいの言っても仕方のない面がある。これが、15年目とかなら「だめだなー」となるが、今のところ、まだまだ「収益の源泉は少しも掘りつくされていない」である。

まあ、正直、「あの鳴り物入りで上場したフェイスブックが、なんと初決算は赤字です」という方に、ニュースバリューがあった。

たくさん新聞は売れただろうし、視聴率は稼げただろう、アクセスもあったろう。

とはいえ、フェイスブックに内在する価値を考察した記事は少ないように思われた。

一言で言えば、「そうですよねー」「そうなるよねー」である。

価値は増えてもいないが、減ってもいない。マネタイズ問題、いまだ進行中であるといった塩梅である。

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