・債券投資の基準(続)

グレアム著「証券分析」の第2部第9章「債券投資の基準(続)」についての雑考。

Section− 発行条件
  「発行条件にはその債券の安全性、利払い条件、満期日−などが含まれる。信託証書に記載されている転換権や類似の優先権などはそれ自体ももちろん重要ではあるが、確定利付証券を選択するときの決定的な目安ではない」

 グレアムがまず指摘するのは、これまで見てきたように、特定の証券の偏重してはならない点です。たとえば、無担保の社債より担保付社債の方が安全であるとか、正当な理由もなく特定の証券を除外するとか、短期債と長期債なら短期の方が安全そう、といった次第です。

 グレアムは、一般的に安全であるといわれることよりも、その債券の発行企業の収益性、売り上げ、財務状態こそ重視すべきであり、発行形式や条件を過度に評価してはならないと述べます。

 先の短期債と長期債では、多くの人が短期の方の債券を、流動性の点から安全と考えがちではあります。3年物の債券と10年物の債券とがあれば、おそらくは、3年という期間の方を購入するかと思われます。また、短い期間であれば、安全性の基準を緩めがちとなります。3年と10年とを比較する際は、10年の方を厳しく吟味するかと思います。

 しかし、短い安全であり、長期だと危ないというのは、正鵠は得ていません。短期の債券を発行する企業は、常に短い期間で借り換えをするわけでもあり、また、会社の信用度が低いため、長期の債券を発行できないかもしれないわけです。形式よりも、やはり、実であるわけです。

Section2− 利息と配当の実績

 確定利付債券の投資対象として、新興企業や経営危機を脱した企業は不適当です。この点、株式投資を「確定利付債券」として取り扱ってきバフェットの視点は、たいしたものだといわざるを得ません。

 株式投資において安全性を考えるなら、債券並みに考えていくべきであり、いくら、株式に流動性が高いといっても、安全性が買えるわけではないことを、わたしたちは強く念頭においておかねばならないように思います。売り抜ければいいから、と考えるのは損と言うよりも、安定して、長期的な収益を考えた場合、不適当と考えます。

 ま、長期投資は、確定利付債券を選ぶかのように選ぶ、とでも考えておけば、安全性という面で引っかからないように思います。バフェットの基準というか原点も、ここにあるように思います。

 グレアムは本書にて、確定利付債券を選ぶ際の基準として、利息と配当の実績を、当時のニューヨーク州の規定を例に挙げています。参考までに挙げてみると、、、

・ 州債の場合、過去10年内にデフォルトがなければ投資適格。
・ ニューヨーク州以外の地方自治体なら、5年。
・ 鉄道会社6年。
・ ガス・電力・電話会社は8年。

といった数字を挙げています。

 もちろん、過去において、きちんと期日どおりに利息が支払われたかどうかも、重要な基準となります。うわさや話、格付けを鵜呑みせず、ひとまず自分で、過去○年間の支払い実績・デフォルトの有無くらいは、最低限、調べるべきです。このあたりは「普通の借金」と同じ感覚です。

 もちろんのことですが、上記のニューヨーク法令は過去のものですし、対象の期間数も今では変ってきているでしょうから、変えないといけないかと。 個人的には、バフェットのワークブックに従い、過去10年を調査期間として使っています。

 ここにて、グレアムは、ある1つのジレンマについて語ります。それは、賢明な投資家の存在が、ほんとうに資金を必要としている地方自治体の資金繰りを困難にしてしまう、ということです。

 皆が皆、賢明な投資をしたら、リスクはあるがお金が必要なところに、お金が回らなくなってしまうじゃないか、というわけです。が、グレアムは自信なげに「逆に、識別力のない投資家が、一見するとよさげに見える債券を買うこともあるさ」と語ります。

 本人も、この詭弁をわかってはいて、個人の利(賢明な投資)の追求が、全体の利(再建中といったリスクある地方自治体の住民の福利)を損なうのではないかと、考えるわけですが、グレアムは、ならば、という感じで、デフォルトするくらいの地方自治体は、徹底した再建策と、債務の1部カットなどを通して、賢明な投資家のお眼鏡に適うような体質を、取り戻した上での資金調達をしなくてはならない、といいます。

 そちらがやらん限り、こっちもせんよ、という同時履行の抗弁ですな。

 が、とはいえども、投資家はそうこうした信用格付けを鵜呑みにするのではなくて、「大きなリスクを取ることによってではなく、その債券の安全性を自分で確認することよって」初めて、購入することが可能になる、この賢明なる投資家の原則を忘れぬよう、述べるのでした。

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・配当実績

 配当というのは、実に嬉しいもの、心躍るものではありますが、よくよく考えなければならないものです。かのピーター・リンチの名言に、「弁当と配当の区別もつかないのに」というものがあります。

 よくよく、配当というのは、考えておかねばならないものです。

 まず、グレアムが指摘するのですが、『確かに』、無配当の企業には、業績の悪いところが多く、配当を続ける企業は、業績のよいことは否めないといいます。

 ただ、配当があればいい、というほど、単純なものではないのです。

 配当とは、企業の財務の1つの力を現しているだけであり、企業全体の財務力を表しているわけではない、ということです。「配当=財務力」では決してない、とグレアムは釘を刺します。

 株主への配当に資金を流すのではなく、研究開発に投下する企業もあるわけです。また、高評価・高格付けを得たい、安定した資金調達を求めるために、過大な株主配当をする企業だってあるわけです。

 高配当=好業績でもなく、高配当=よい企業、よい財務といったわけでもないことに、グレアムは注意を喚起しております。 

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・配当実績の意味

 グレアムは、企業の安全性をBSとPLから導くように述べます。配当で安全性を見積もるのでなく、たとえば、その額面や過去の配当実績などからではなく、きちんと財務に立ち戻るべし、というわけです。

 ま、財務諸表では、お決まりの利益の額、伸びから借金の額、短期・長期負債の割合などを見ていくわけですが、グレアムは、ここで、一言注意を述べています。

 それは、配当可能な利益があるのに無配の企業についてです。十分な利益があるのになぜ無配なのか、グレアムはPLに出せない損失なりリスクがあるのではないか、と注意を喚起します。やばい事があるから、それに備えるために無配にしているのでは、という次第です。

 無配の企業というのは、常識的に、業績が悪いから無配であるのと、理由があって無配である可能性が高く、これまた、逆に、配当があったとしても、利益に対応していないのに、経営陣の見栄から配当しているケースもあり、グレアムは、穏当な通常な注意を払うように述べます。

 ただ、このあたりの配当の是非は、難しいものがあります。研究開発は、将来的な収益の源泉であり、研究開発費を抑えての配当は、長期投資・長期保有の観点からは、よくありません。

 企業の主事業が、成長しきったならまだしも、まだまだ、開発の余地があり、競争に打ち克っていかねばならない経営環境なら、研究開発費に配当原資は向かわせるべきです。

 配当政策から、その企業の本質は垣間見えます。バフェットならば、毎年毎年、巨額の研究開発費を計上しなくては利益の出ない企業を、言ってしまえば、金食い虫の企業をどう思うのかという次第です。

 よくよく調べてみれば、巨大な開発費を投じてようやく、市場平均どころか、赤字にならなくて済むような企業もあります。投じなければまともな利益も出ないどころか、企業の維持管理費すら賄えない、こともあるわけでして、配当か企業の分析をするのも、おもしろいです。

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・支払利息に対する収益の比率

 グレアムの執筆当時、債券の安全性を計る上で、支払利息に対する収益の割合を重視していました。

 もちろんのこと、今もそうです。大きな負債を抱えて、その利息の支払いだけで汲々としている企業など、安全とは言えません。 経営環境が悪化すれば、収益どころではなくなることでしょう。

 さて、 グレアムは、当時のニューヨーク州の債券投資基準のうち2点を評価しています。

 ・企業の十分な収益基準を重視する。
 ・金融費用総額を、重要な指標としている。

 この2点です。

 説明を加えると、1点目は、債券の安全性を計るのに、いまだ、その企業の配当実績を評価する州や市もあって、グレアムは、前々回から、それは誤りだと述べています。つまりは、高い配当を出さないと、お金が集まってこないから、そうしている、というわけです。

 その高配当自体が、債券発行先企業の財務を悪化しかねず、更に、その債券投資先が危くなる、といったわけです。

 当時のニューヨーク州の法令では、まず、収益(利益)の状態はどうなのかを重視しています。この点を、グレアムは評価しているわけです。

 現在の株式投資でいうなら、高配当企業が必ずしも安全ではない、というわけですな。いくら高配当でも、売上・利益とも落ちて株価が低迷しキャピタルロスが発生していれば目も当てられません。

 次の「金融費用総額」です。金融費用とは主に、支払利息のことです。社債を発行している企業なら、社債発行費がこれにあたります。資金を調達する際にかかった費用と、調達しているゆえに発生する費用とを、まとめてこう呼びます。

 この金融費用の支払いを重視するのは、そっくりそのまま、その額が企業の収益の足を引っ張るものだからでしょう。つまりは、過大な金融費用があれば、その分だけ、収益を圧迫するわけです。

 その圧迫分は、当然、利益も減らしますから、とどのつまり、安定性に欠く、といったわけです。

 加えて、金融費用から、その企業の経営がわかってきます。どれほど喧伝された企業でも、数字は騙せません。いくら巨大な売上を誇っても莫大な負債をかかえておれば、それは自転車操業ですし、支払利息を賄えなくなれば、途端に赤字になってしまいます。

 もっといえば、その売上を維持するのには、それだけの負債と支払い利息が必要といったわけで、事業そのものの資本効率性をも、明らかにしてしまいます。

 「金融費用」という指標は、企業の実体を赤裸々に語ります。まずは、ここから調べるのが、現在においても、当を得ているように思います。

 参考までに、ニューヨーク州の「収益カバレッジ」について、抜粋。

 ちなみに、カバレッジとは「カバー(cover)から派生した言葉で、カバーする範囲、カバー率の意味合いです。企業収益がどのくらい発行債券の安全性をカバーできるかの基準です。

 当時のことなので、現在にはそぐわないのですが、参考までに。

@ 鉄道会社の担保付社債および設備債務については、直近6年のうち5年間と直近年の金融費用に対する収益の倍率を1.5倍以上とする。

 過去の5年と、直近の年の2つの期間で、収益と金融費用の割を見ていくようです。過去5年と直近年とで分けるのは、過去5年以前の投資がうまくいっているかどうかを調べるのでしょう。直近年は、現状把握のように思われます。

 いまでも、最初に巨額の投資をしなくてはならない企業、そして、常に大きなお金を投資しなくてはならない企業の債券の安全性を計る上で、利用できるでしょう。過去の性質に従って、過去の期間を分けます。

 ただ、グレアムは、定期配当を行なわなかった場合は、審査期間を10年中の9年とするように述べています。

 これまでも見てきたように、グレアムは、配当のあるなしで安全性を計りません。配当に回して外に資金を流出する以上に、企業内部に資金を回す方が、中長期の利益に適う場合があるからです。

Aその他の鉄道債(無担保社債や収益社債)などは、直近6年中の5年間と直近年の金融費用に対する収益の倍率を2倍以上にする、と述べます。

 無担保となると、債券の安全性はその企業の収益性如何によります。収益社債もその名称どおりに、企業の収益を担保にしているわけですから、2倍以上と、収益の計算をきつくするわけです。

Bガス・電力・電話債については、過去5年間と直近年の平均支払利息に対する平均収益を2倍以上とする、と述べます。

 利息と収益ともに平均した数字を用いるのは、これらの業種が安定して収益を生むからでしょう。鉄道に比べれば、リスクは少ないですから。まったくド田舎の鉄道なんて赤字でしょうし、改善の見込みも自助努力で何とかなるものでもありません。

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・収益カバレッジの3つの要因

 支払利息に対する収益の比率を計算する際は、@計算法、A最低基準、B審査期間の3要因を調べるよう、グレアムは問いています。

 本書で出て来る、絶対に買ってはいけない!!と述べられているのはプライア・ディダクションズ・メソッド(Prior-deductions Method)です。

 この計算法を検索してみましたが、ほとんどヒットしませんでした。現在ではもう使われてない、過去の計算方法です。現在では意味はないでしょう。

 こういう「騙し」が当時にはあったということで、簡単にいいますと、上位の債券(たとえば、抵当付社債)の支払利息を収益から引いて、残った収益額で下位債券(無担保社債など)の収益に対する支払利息を計算します。

 参考例は本書を見てもらうことにして、要するに、個々の債券で収益カバレッジを計算するので、実体がつかみにくい数字になります。

 現代的な意味を汲み取るなら、どのようにその数字が計算されているか、それを調べよ、ということでしょう。収益カバレッジが「高い!」だけで選ぶのは危険ということですな。

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 本書で次に述べられる「キュミラティブ・ディダクションズ・メソッド」も、今となっては過去の計算方法のようです。ですから、参考程度ですね。

 本書では、この計算方法は、上位債券・下位債券、それと同等の債券の利息を含めて、収益額とすり合わせる。。。と、わかったようなわからないような説明が続きます。

 ま、現在のわたしたちは、債券の安全度を測る計算には色々あって、資料にだされている数字や割がどのように算出されたのかを、粘り強く見ていくことが必要、と理解しておけばいいでしょう。

 説明文より、数字よりも 計算方法のなかにこそ、真理がありますな。

 次に、「オーバーオール・メソッド」、または「トータル・ディダクションズ・メソッド」です。

 グレアムは冒頭にて、「すべての金融費用を賄える企業の支払能力は重要」である。なぜならば「下位債券」のデフォルトでも、上位担保付債券に多大な影響を与えるから」です。

 続けて、「投資家の安全は、その企業の利息費用を完全に賄える状態にあって始めて保証される」と述べます。そこで導かれたのが、「オーバーオール・メソッド(Over-all method)」、または「トータル・ディダクションズ・メソッド(Total-deductions method)」となるわけです。

 要するに、現在でもよく言われるレバレッジ(収益レシオ・収益カバレッジ)というものです。要は、収益が、総支払い利息の何倍あるかを、全ての債券、5%の担保付社債であろうが、7%の下位の債券であろうが、債券の安全基準にするわけです。これは、現在でもポピュラーなやり方なのでわかるように思います。

 もっと詳しく計算していけば、流動比率とかのおなじみの数字・割・率になりますの。

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 安全余裕率(マージンオブセーフティ・Magin of safety)

 支払利息に対する収益の比率、つまり、利息と収益の割合の考え方をこれまで見てきたわけですが、バフェットにはおなじみのあの言葉が出てきます。

 安全余裕率、つまり、日本語として、直感的にわかりやすく言うなら、安全の量がどのくらいあるか、という指標です。高い方がよいのは言うまでもありません。

 支払利息に対して収益の倍率が1.75倍あるというのは、つまり、100万円の支払利息がある場合、175万円の収益があるわけです。

 差し引き、その企業には、75万円分、安全の量があるわけです。

 そこで、この安全の量は、全体でどのくらいなのかを数字で表現するわけです。安全余裕率(安全の量の割合)は、75万÷175万の「42%」となります。

 75万円分の安全があっても、175万という全体から見れば、42%分しかない、逆を言えば、収益の58%はリスクに掛っている、というわけです。

 これらの数字は、色々と言い換えることができます。

 年収1000万の人の支払利息の年100万は、収益レシオで、10倍。この人は、100万の資本投下で1000万を稼ぎだす優良人となるわけです。もっといえば、この人は、来年から収入がゼロになっても、10年は利息を支払えることになります。(極端に、数字だけを言えば。)

 安全余裕率は、900÷1000の「90%」となるわけで、収入の内、9割は毀損しないとも言えるわけです。

 もっといえば、支払利息とは、その企業が必要な活動をするためのコストであって、その企業が得るだろう利益に、どのくらいを占めるのかという問題につながってきます。いくら利益額が高くても、その利益を出すのに巨額の支払利息がかかるのであれば、安全の量が少ないわけで、長期の投資先としてはどうなのか、となるわけです。

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 2.収益カバリッジの最低基準

 本節は、昔のことなので例示だけにとどめます。

 グレアムは当時、下記のように金融費用の収益カバレッジ倍率を見ていました。

・公益事業債・・・1.75倍

・鉄道債・・・2倍

・工業債・・・3倍

 工業債は、今で言うIT企業でしょうか。市場は拡大をしているが、新規参入も多く、競争が激しい業界・業種では、レバリッジを「3倍」に見ておくくらいの慎重さで臨めということですな。

 逆を言うなら、現在の収益が3分の1になっても、つまり、66%ダウンしても、利払いが可能な企業を探せ、と相なります。

 鉄道債は、米国の鉄道事情ということもあり、割愛します。国策で鉄道か引かれた日本と違って、アメリカでは、私企業が中心となってガシガシと鉄道網を広げていました。

 もちろん、路線によっては、過度の競争もあったわけで、結構、米国の鉄道会社はよくつぶれたものでした。

  公益事業債は、その事業の開始にあたって、大きな設備投資をしなくてはならないがために、金融負担が大きくなります。その分だけ、収益を圧迫しますが、「需要」なり「商権」が確保されているので、相応の安定した収益が期待できます。

 そのため、1.75倍という低い率を見ているのでしょう。

 逆を言うなら、それだけ利益の落ち込みが少ない、と見積もっているわけです。

 現在の公益企業を含みつつも、通信大手など、巨額な負債はあるが、相応のインフラを抱えて、収益が確実に見込める企業・業種であるかといえます。

 はるか昔の基準を、現在という時制に、そのまま当てはめるのは愚かです。業界研究や企業研究の際の、1資料としてお使いをば。

 確実にいえるのは、数字を1人歩きさせないこと。「レバリッジが○倍だから安全でしょ」、なんていう判断は危険かと思います。企業の業種・業界動向などを踏まえ、自身の判断を加味した「数字」で、見ていくべきかと思います。

 つまり、収益の額が乱高下し、一定ではなく、収益力計算ができないのであれば、そんな企業・業種・業界に投資するのはよしなさい、というわけですの。 

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 3.収益カバレッジの最低基準

 過去の基準であるので、そう参考にはなるものはありませんが、5年・10年の平均で、収益カバレッジを見るように述べられています。

 グレアムいわく、直近年・直近2年間が、基準を満たしていても、まあ注意するように述べています。

 当然、発行企業からすれば、巨額の資金調達の前には、多少お化粧をしますし、発行先企業が「調子に乗っている」の場合もあります。

 つまり、最近は売れてるから資金を調達してバンバン売ろう!!!てなわけで、巨額の資金を調達して生産設備を整えたらもう市場は過剰になっていて、大損こいた、なんてこと事態は多々、あるわけで、そんな初歩的な投資トラップにひっかからないようすべきでありましょう。

 ある一定の長期期間を平均化する、常識ですね。

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 収益実績のその他の要因−結局は「投資家の判断力」

 グレアムは、企業収益を見る際は、「収益トレンド」「最低限の業績」「当期の数字」などの数字を見ることが大事、と述べています。

 が、柔軟に、かつ厳密にすべきである、と述べています。

 収益のレベルが基準に満たなくても、「業界平均」からすれば、好成績であれば、多少目をつぶってもよいでしょうし、逆に、収益が基準を満たしていようとも、業界平均からすればたいしたものじゃないし、たいした数字を出している企業もある、ならば、、、てなことに相なります。

 審査期間も、経済動向というのは如実にあるわけで、基準は満たしていても市場は長期的に収縮しているなら、考えなくてはいけません。

 一方で、ずっと悪かったが、次第に上向いてきた市場・業界・企業の線もあるわけで、そうならば、多少基準を損なうようでも、検討に値すると相なります。

 グレアムが指摘していますが、昔も今も、「ある数学的な公式をあてはめることで」可能となる投資などない、というわけです。

 企業の内実、業界の動向、経済の方向についての、投資家の判断力如何となるのでした。

 何と何を持って判断とするか。現在では、まずは、企業の事業内容。事業動向。事業の歴史。財務とキャッシュフロー。そして、損益の数字。配当政策=資本政策=資本利益率てな感じでしょうか。

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